高座の下手、出演者の名前を書いた紙の札がありますが、これを「めくり」といいます。このめくりに書いてある書体が寄席文字です。
寄席文字はまた縁起文字ともいわれ、見ておわかりのように筆太で余白が少なく書かれています。これはお客様が大勢さんお入りになって、客席に空いている席がない様にと縁起を担いでいるわけです。また、少し右肩上がりに書かれているのは、興行が評判を呼んで、今日よりも明日、明日より明後日とだんだん興行がよくなる様にとの願いを表しています。
寄席文字を書く筆は「だるま筆」と呼ばれる隈取り筆や彩色筆を使います。根元までたっぷり墨汁を含ませて、墨黒々と書くわけです。
私も書いてみたいなという方は、橘流寄席文字の教室があります。写真の教室は、当席の木戸にある出演者の木札やめくりを書いてもらっている橘右橘(たちばなうきつ)師匠が開催する町屋校の勉強会風景ですが、他にも上野、池袋、横浜など何ヶ所かで開催していますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
◆問い合わせ先 03-3801-6799 大有(たいゆう)企画まで